▼フォアグラとは? |
フォアグラ~Foie Grasとはフランス語で太った肝臓(Foie=肝臓・Gras=太った)を
意味する。
もともと、肝臓とは胃や腸で消化された食べ物から吸収した栄養や糖分、たんぱく質を蓄えたりホルモンの活動を調整したり、脂肪を分解する器官である。
フォアグラとは、鴨やガチョウに必要以上にエサをたくさん与える(ガヴァージュ/強制給餌)ことにより、肝臓を形成する肝細胞に使われない脂肪が蓄積する過程で、どんどん肝臓の一部が脂肪に置き換えられていく状態「脂肪肝」を人工的に作り出したものである。
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▼種類 |
現在フォアグラは、ガチョウの肝臓であるフォアグラ オア(foie gras d'oie)、鴨の肝臓であるフォアグラ ド カナール(foie gras de canard)の2種類。
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フォア ド カナール |
フォアグラ オア |
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一般的に、フォアグラ オアの方が、飼育に手間がかかるため、高級かつ高価とされている。
鴨のフォアグラ生産用に飼育されている鴨は、ミュラール種。
これは、バルバリー種の雌に、北京ダックで知られるチェリーバレー種の雄を掛け合わせたもの。
フォアグラを採った後の、ミュラール種の鴨肉にはフォアグラの香りが残り、この胸肉はマグレ カナールとして嗜好される。
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▼大きさ |
サイズは400gから1kg程度まである。
ガチョウのほうが鴨より身体が大きいため、大きなフォアグラを取りやすく、鴨が平均して600g前後なのに対してガチョウのフォアグラは800g前後。
大きくなればなるほど、脂肪の含有量は大きくなる。
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▼形 |
大小2つの房が合わさった形で、必ず向かい合って右側の房が小さくなっている。鴨のフォアグラのほうが房の大小の差が大きく、身が薄くてスマート、一方ガチョウは、ずんぐりしたコーヒー豆のような形をしている。
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▼色 |
一般に、ガチョウのフォアグラの色は白っぽく、鴨のフォアグラは黄色みやベージュ色を帯びている。鴨のほうがガチョウよりもエサの色が表れやすく、ガバージュの際のエサのトウモロコシの色によって左右されるのが理由。
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▼感触 |
どちらのフォアグラも艶があって、固すぎず柔らかすぎず、ポマード状でネットリしているものが質が良い。指で押すと、へこんで押し戻してくるようなスポンジ状のものは、中身がスカスカである可能性が高く良くない。
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▼成分比較 |
フォアグラの成分(%)
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水 |
たんぱく質 |
脂質 |
灰分 |
ガチョウのフォアグラ |
35.6 |
7.6 |
56.2 |
0.6 |
鴨のフォアグラ |
28.3 |
1 |
64.4 |
0.5 |
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▼フォアグラの産地 |
フォアグラ産地は世界的に広がりつつある。フォアグラ生産大国のフランスでさえ、日本で消費される15倍以上の量を海外から輸入。
ちなみに日本最大の輸入相手はハンガリー、続いて多いのはイスラエル産で、本家フランス産は全体の1割強にすぎない。
ガチョウのフォアグラに関して、その最大の輸出国はハンガリー。日本にくるガチョウのフォアグラの6割もまたハンガリー産であり、その優秀さはフランス本国でも認められている。
ハンガリーで伝統的にフォアグラ作りに携わってきたのは、ユダヤ系の農民達である。
彼らは旧約聖書に記された食事に関するタブーを厳格に守っている。
(たとえば馬や豚、野ウサギ、ウロコのない魚、動物の血は不浄なので食してはならないなど。)
こうした制限の下でも食べられるフォアグラは、ユダヤ教徒にとって重用な脂肪源であった。
また血を不浄とする観念が、フォアグラの内部に血を残さずに取り出す技術を育てた。
日本に入ってくるガチョウのフォアグラの3割はイスラエル産である。
そのフォアグラの優秀さは、ハンガリーから移り住んだユダヤ人の手によって作られているという理由だけでなく
フォアグラを重要な輸出品として位置づけ、国による徹底的な品質維持体制を整えている点にある。
一方、鴨のフォアグラに関しては、日本で消費される大多数をフランスが供給する。
歴史のある生産地としては、フランス南西部、ランド県やジェール県といったガスコーニュ地方
また、トリュフの名産地でもあるペリゴール地方。
近年、フランスでは鴨のフォアグラの消費量がうなぎ上がりで、ガチョウを圧倒している。
「ガチョウよりも風味が軽い」「口溶けがよい」といった味わいが、レストランのシェフの間で鴨のフォアグラ使用を推進させた一要因ではあるが、鴨のほうが育てやすい、また鴨のフォアグラを取った後の胸肉、マグレ
ド カナールが広まった事などの生産者サイドの事情も大きく働いている。
フランスに続く輸入元は、ハンガリー、中国であるが、近年ではハンガリー産 鴨のフォアグラの優秀さが見直されており、その輸入量は毎年増加傾向にある。 |